2017.5.10

レポート:アメリカ地理学会2017年大会参加報告 (プロジェクト研究員 クリストフ・ルプレヒト)

4月5日~9日にボストンで開催されたアメリカ地理学会(以下、AAG)の年次大会にFEAST HQの研究チームが参加してきました。AAGは、地理学の学会では最大規模で、今回の2017年大会には世界中から9,000人以上の研究者が集まり、最新の研究内容について発表・議論を行いました。楽しくもあり、忙しい一週間でしたが、参加した私たちは、多くを学び、ネットワーク構築を行い、そしてボストンの活気に満ちた「食」に触れる機会にも恵まれました。

食システムの転換、脱成長(Degrowth)、食・農業地理学の発展

今回の学会では、8日にプロジェクト・リーダーのスティーブン・マックグリービーと研究員のクリストフ・ルプレヒトが食システムの転換に関するセッションをオーガナイズしました。セッションは100分間のスロットを5回、朝8時から夜7時まで続き、24名の研究者が発表を行いました。食システムの転換の概念やメカニズム生産の実践方法造園と都市農業アクセスとつながり、そして総説といった様々な観点からセッションをオーガナイズし、プロジェクト・メンバーのDaniel Niles(地球研・准教授)、河合史子(オーストラリア国立大学・大学院生)、小林舞(地球研・プロジェクト研究員)と共に議長を務めました。私はDegrowthのセッションに参加していたので、こちらでの発表はなかったのですが、他のプロジェクト・メンバーは、これまでの研究成果について下記の通り、発表を行いました:

  • スティーブン・マックグリービー包括的な地域の食の安全
  • 太田和彦(地球研・プロジェクト研究員):環境倫理的観点から食と農の再ローカル化
  • ダニエル・ナイルズ:アンソロポシーンにおける農業
  • 小林舞:ブータンにおける食の生産の変遷
  • 田村典江(地球研・プロジェクト上級研究員):岐阜県の世界農業遺産と地域の食システムの再生

参加者の方たちも、私たちと同様に楽しい時間を過ごしたことと思います。今回AAGでのセッションの編著本を出版予定ですので、お楽しみに!

FEASTプロジェクトは2016年に本格的に始まりましたが、私たちが持続可能な食の農のシステムへの転換を考える際にDegrowthの概念は大きな影響を与えてきました。私がDegrowthのセッションで何をしていたかと言いますと、日本国内の空き地の生物文化的な都市景観への転換において、Degrowthの概念が担う役割について発表しました。Degrowthの研究で著名なGiorgos Kallis 教授、Federico Demaria教授と話す機会にも恵まれました。

この2つのセッションはもちろん一大イベントでしたが、食と農や私たちが研究を進める関連トピックについて、こんなにも多くの人々が関心を持ち研究を行っているのを目の当たりにしたのは驚きでした。食料主権(Food Sovereignty)、農民の暮らし、コミュニティ・ガーデン、フード・シェアリングなど、食の研究に熱心なのがFEASTメンバーだけでないということが分かりました!

ボストンの「食」探訪と、ニューオリンズに向けて

FEASTでは、「応用研究」を行っています。というのは、私たちは新しい場所に赴き、現地の「食」を視覚、嗅覚、味覚を使って、探索しているということです。ボストン滞在中は、一週間の間、居住を共にしてたので、メンバーみんなで食料の買い出しや調理を行い、もちろんFEAST(ごちそう)も楽しみました!また、ボストンの美味しいコーヒーを飲んだり、ボストン公共図書館市場も訪問し、地元の農産物、クラフト・ビール、そして人々がまた料理を始めるよう推進する新興企業についても学ぶ機会がありました。コンブチャ(注:日本の昆布茶とは違います!)の様々なフレーバーも楽しみました。

最後になりましたが、今回参加できなかったメンバーも含めチームのみんな、そして今回の出張中にお会いした方々、多くを学ばせで頂いた方々、そして素晴らしい一週間を過ごさせてくれたボストンに感謝します。来年にニューオリンズで開催されるAAG2018年大会で、またお会いしましょう! (和訳:小林優子)

(撮影:田村典江)

(撮影:田村典江)

(撮影:田村典江)