2017.7.4

レポート:クルベジ クライアント・ミーティング@つくば (農研機構・農業環境変動研究センター/WG4 大澤剛士・須藤重人・岸本(莫)文紅)

2017年6月19日、農研機構・農業環境変動研究センター(茨城県つくば市)において、WG4メンバーは環境保全型農業に取り組んでいる農業法人や個別経営の農家さん、公設農業試験場、民間コンサルタント会社、学生らを交えた勉強会を実施しました。FEAST-WG4は、「持続可能な地域に根ざした環境品質手段の模索」に取り組んでいます。この実現の鍵になる手法として、科学的に担保された手法で行う環境保全型農業の生産物をブランド化する戦略があります。ブランド名は(COOL VEGE®: クルベジ ※ 米の場合はCOOL RICE)といい、温室効果ガスを削減できる農法の生産物にブランドマークを付けるというものです。温室効果ガスの削減技術は、一般に地球温暖化の緩和策に位置付けられるため、ブランド名のCOOLは、地球を涼しくする農作物という意味を含んでいます。

温室効果ガスを削減できる農法は既に多くの研究、実証がなされており、技術的には様々な作物、地域において実施可能です。しかし、慣行農法に比べて一定の労力が必要になるため、実際に営農を行う農家さんにメリットがないと普及が進みません。この点において、既に京都府亀岡市等で一定の成功を収めているクルベジブランドは、地球温暖化の緩和、農家の所得安定、さらには広い範囲での普及という可能性を持っています。

今回は、つくば近隣においてクルベジに取り組んでくれている方々、興味をもっている方々に、背景情報を含めたクルベジの意義や具体的な内容等を説明し、まずは率直な意見等をもらうことを主な目的としました。はじめに農研機構・農業環境変動研究センターの須藤重人上級研究員(WG4 Co-chair)から国際的な温暖化対策の現状や国内動向の説明を行い、続いて立命館大学の柴田晃教授(WG4 Co-chair)が、それらとクルベジの関係、亀岡市(京都府)における現況等についての説明、さらにはクルベジ協会からクルベジの仕組み、ビジネスモデル等を紹介し、その後は自由討論の形で広く意見交換を行いました。議論の時間は、農家さんらからも多くの質問や意見が出て、予定時間を超過するほど活発なものになりました。その中で感じたのは、参加した農家さんらの、環境保全に対する意識の高さです。今回参加してくれた農家さんらは、ブランド等は関係なしに自身の考えで環境保全型農業に取り組んでいる方々です。中でも特に印象に残ったのは、農業法人のスタッフで現役大学生からの、「地球温暖化がもたらす環境への影響を一番受けるのは私たちの世代であり、環境保全型農業に高い関心を持っている。大人世代にもっともっと取り組んでいただきたい」というコメントでした。また、多数の農家さんから、温暖化等に関する科学的な専門知見を持っているわけではないので、その点について研究者からわかりやすく情報が発信して欲しいという強い要望を受けました。WG4メンバーも、自身らの研究が実際の農業活動に明確に貢献できる可能性を実感することができ、非常に有意義な時間となりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

クライアント・ミーティング@つくば

自己紹介(撮影:FEAST-WG4)

柴田先生(WG4 co-chair)が「クルベジの温室効果ガス削減の科学原理」を説明しているところ(撮影:FEAST-WG4)

WG4が目指す科学的に担保された手法で行うクルベジの「究極なフレーズ」!(柴田先生のプレゼンより)