2017.6.1

レポート:日本地球惑星科学連合2017年大会参加報告 (プロジェクト研究員 クリストフ・ルプレヒト、太田和彦)

5月20日〜25日に幕張メッセにて開催されたJpGU -AGU(日本地球惑星科学連合-米国地球物理学連合)共同大会に、FEAST HQのクリストフ・ルプレヒトと太田和彦が参加してきました。JpGUは天文学や地質学、気候変動研究など、地学領域の研究コミュニティが主体となっているのですが、広く環境に関する社会的課題をテーマとした意見交換、情報発信、検討、提言もなされます。

大会3日目となる22日、太田は、研究者と行政担当者と企業担当者が共同で進めるプロジェクト(TD:超学際)に関するセッションにて、「参加型バックキャスティングと持続可能な社会システムへの転換研究の複合—〈未来の理想の食卓〉ワークショップを事例として—」というタイトルで発表を行いました。発表内容は、①「何が問題なのか」の共有だけでなく「どういう状態になれば問題が解決したといえるのか」の共有も重要であること。そして、②そのビジョンの共有にあたっては、理想の未来のビジョンをまず作り、その理想を実現するために何をすれば良いかを遡って考える、参加型バックキャスティングという手法が有効である、というものです。その事例として、秋田県能代市で2016年10月、11月に開催した「30年後の地域の理想の食卓」をテーマとしたワークショップを紹介しました。

セッションではたくさんの課題が提起されましたが、とりわけ、超学際研究の成果をどのように測るか、という課題は印象的でした。例えば、先行研究としてRoland W. Scholz(ETHチューリッヒ・教授)さんの2015年の論文「超学際プロセスの理想と現実」()は多くの示唆を与えるように思われました。実り多い議論の機会を作って下さった、コンビーナの近藤康久さん(地球研・准教授)、ありがとうございました。

加えて、「景観評価の国際比較」に関するセッションにおいては、ルプレヒトがコンビーナおよび座長を務めました。2012年より、同セッションには国内外から多岐の分野に渡る研究者が参加しており、本年度は、イギリス、ロシア、トルコ、韓国、インドネシア、中国からの参加者がありました(プログラムと参加者はこちらからご覧いただけます:セッション1セッション2ポスターセッション)。また、ルプレヒトは、ポスターセッションにおいて、2017年2月にタイ・チェンマイで開催したフードスケープと食料圏のマッピング・ワークシップについて、発表「Cross-cultural culinary mapping: How locals and tourists navigate the foodscape of Chiang Mai, Thailand」を行いました。マッピングにより、観光客が現地の人々よりも、地域に根ざした食事をしていることが判明し、この点は議論の的となりました。また、発表を聞きに来てくださった方々は、参与観察にも非常に興味を示していました。というのも、食に関する研究では、研究を行う傍ら、美味しい料理もしっかり楽しめるというオマケがあるからです!

また、本大会では、地球研もブースを出展していました。2001年に創設された地球研ですが、より多くの人々にその活動を知って頂く必要があります。そこで、時間を見つけてブースに来て頂いた方とお話しをさせて頂きました(合間に、土星の第6衛星タイタンのメタンの海に関する発表を聞いたり、石や化石を模した「ジオ・クッキー」を見て回る機会もありました!)。また、ルプレヒトは、展示ホールで行われた、地球研の石井励一郎さん(地球研・准教授)と遠山真理さん(地球研・特任准教授)との公開インタビューで、FEASTプロジェクトの活動紹介もさせて頂きました。

また、2018年のJpGUでお会いできるのを楽しみにしています!  (一部訳:小林優子)

ポスター発表会場 (撮影:太田和彦)

ルプレヒトのポスター (撮影:クリストフ・ルプレヒト)

幕張 (撮影:クリストフ・ルプレヒト)