2017.7.12

レポート:東北海道木材協会定期総会での講演報告 (プロジェクト上級研究員/WG3チェア 田村典江)

FEASTプロジェクトの田村典江です。こんにちは。去る2017年6月2日に、北海道帯広市にて、東北海道木材協会定期総会で「未来の林業を考える-政策、資源、流通、社会」と題した講演を行いました。

FEASTプロジェクトは食と農をテーマとしているので、林業や木材産業はちょっと場違いに思われるかもしれません。確かに、今回のご依頼は、FEASTプロジェクト合流以前に私が従事していた森林・林業に関する調査研究を踏まえてのものでした。しかし、だからといって、森林・林業がFEASTプロジェクトの射程でないとは思っていません。私が主に担当しているWG3では食の生産段階に着目していますが、それは多くの点で、持続可能な農山漁村地域のあり方を考えることと重なっています。林業や木材業は、その多くが資源立地型産業であるために、農山村の主幹産業となっている場合が多いです。そのため、未来の林業について考えることは、未来の農山漁村地域について考えることでもあると私は思っています。

以上のような視点から今回の講演では、2050年の人口予測をお示しし、そこにはどのような社会がありうるのか、またそのときの林業の姿はどうなっているのかについて考えつつ、地域産業としての林業や木材業への期待や展望についてお話しました。

東北海道木材協会は十勝、釧路、根室地域の林業および木材業に携わる方々を会員とする団体です。講演終了後に協会の皆様とお話する中で、多くの方が、地域の企業として、自らの事業だけでなく地域における社会的な責任も意識して活動されていると気づき、非常に頼もしく思いました。

他方、日本の中でもとりわけスケールの大きい自然に恵まれたこの地域では、国内の他の地域とは自然条件が大きく異なっており、他地域の先進事例に学ぶことは容易ではありません。また、生産条件がよく、大規模な生産が成立するこの地域では、農林水産業はマスマーケット志向になりがちです。持続可能な食と農の文脈では、フードシステムを地域の中に位置づけなおすこと(food system relocalization)がよく謳われますが、資源に恵まれたこの地域では、持続可能な食と農とはどういう姿になるのでしょうか。FEASTプロジェクトのゴールについても考える機会となった一日でした。

(撮影:東北海道木材協会)

(撮影:東北海道木材協会)