セミナー、ワークショップ:認定NPO法人シニア自然大学校・地球環境『自然学』講座にて講演 田村典江

大阪の認定NPO法人シニア自然大学校では、自然環境教育と社会文化活動を行っており、その一環として、京都大学名誉教授の田中克先生がコーディネーターを務める「地球環境『自然学』講座」を開催しています。去る8月26日に、平成29年度第9回講演会が開催され、WG3チェアの田村典江が「食を巡る消費と生産のあるべき姿」と題し、講演を行いました。当日は、シニア自然大学校の会員の方を中心に、164名の方にご参加頂きました。

講演では、まず食料生産・流通・消費によりどのような環境負荷が生まれているか、現代の食農体系はどのようなものであるか、また食と農の問題は環境のみでなく、栄養、飢餓、食品廃棄、食生活、労働、倫理(動物福祉)にも関わる問題であることについて触れました。そして、よりよい食の生産と食の実現に向けて、食料自給率やエコロジカル・フットプリントといった指標から現代の食農体系が抱える問題に迫り、またトランジション(転換)やデグロース(脱成長)といった概念について説明しました。続いて、よりよい未来のための具体的な取り組みとして、①エコラベル、産直やCSAなどの流通のあり方、フードバンクといった分配の仕組み、②フード・ポリシー・カウンシルや子ども食堂などの地域活動やまちづくり、③アグロエコロジーや世界農業遺産(GIAHS)といった食料生産のビジョン、④食の主権などの国際的な議論、④半農半Xや地域おこし協力隊などの日本発祥の事例を紹介しました。最後に、オランダで提唱された「市民の食ネットワーク」を紹介し、市民が食に関して積極的な働きかけを行い、社会の革新を推し進めていくことの重要性について述べ、まず今日からできることとして理想の食を参加者の方と一緒に考えました。

講演の記録が、シニア自然大学校のウェブサイトよりダウンロード可能です。