みんなで作る「いただきます」

 大量生産・大量消費によって形成されてきた、私たちの食を支えるフードスケープは、環境破壊や公衆衛生上の問題、生物文化多様性の喪失、さらには食の安全や食料主権の後退といった深刻な影響をもたらしています。今まさに求められているのは、食料の生産・分配・管理の仕組みを変革することです。しかし、フードシステムをより持続可能なものへと移行させるための知識や理解は、まだ十分に確立されていません。フードシステムの転換はどのようにして起こり、社会に根付いていくのでしょうか。その際に制度や政策はどのようにあるべきで、社会的な実践や将来の経済的な仕組みはどのように構想されるべきなのでしょうか。こうした問いに答えるためにも、包括的な理解を深めることが不可欠です。

 FEASTは、アジアにおける持続可能なフードシステムへの転換を支援する一般社団法人として、2021年に終了した総合地球環境学研究所の超学際的研究プロジェクト「FEAST」を母体に設立されました。

 FEASTでは、ライフワールドの視点を取り入れながら、食の消費パターンや食に関わる社会的実践、その社会文化的意義、そして消費者団体の機能を包括的に分析しています。この分析においては、物理的な構造のみならず、人々の深層に根づいた文化的概念も捉え、地域のフードシステムに変革をもたらす方策を探究します。そして、長期的な視点から、食の安全・安心や豊かな暮らしといった概念を再定義するために必要な知識とメカニズムを明らかにしようとしています。