BitSummitゲームジャムを開催しました!(プロジェクト研究員 太田和彦)

FEAST HQ セミナー、ワークショップ, レポート

5月11日と12日の2日間に渡り、BitSummitゲームジャムを、株式会社Skeleton Crew Studioと連携して総合地球環境学研究所で開催しました。「ゲームジャム」とは、集まった人たちで即席チームを組み、限られた時間の中でゲーム開発を行うイベントのことです。BitSummitゲームジャムでは、
・京都市内外でゲーム制作の勉強をされている学生さん50人余りが、
・のべ17時間+α(徹夜あり)で、
・「混然一体」をテーマにした、8つのデジタルゲームを制作しました。
地球研でのゲームジャム開催は今回が2回目(前回のSBGJ2018の記事はこちらから)、デジタルゲームの制作は初めてです。

BitSummitとは、京都で毎年開催されている国内最大級のインディーゲームの祭典です。7回目の開催となる今年は6月1日、2日に京都市勧業館みやこめっせで開催されます(詳細はこちらから)。BitSummitは、日本のインディーズ作品を世界に紹介するだけでなく、若いクリエイターの育成にも力を入れており、ゲームを通じて多様な価値観に接する機会を生み出すことを目指しているとのこと。今回のゲームジャムはその取り組みの一環として企画されました。

BitSummitゲームジャムの、もう一つのテーマ

さて、せっかく多くの方が研究所で制作活動をしていただけるので、この機会に参加者の皆さんに調査にご協力いただきました。調査のテーマは「地球研の研究成果を、研究者以外の方が活用しようとするとき、どのような仕組みや動線をデザインすれば良いのか?」。これがわかれば、FEASTプロジェクトの研究成果をアクセスしやすくすることができるはず。

そこでBitSummitゲームジャムでは、以下の課題を追加しました。その名も「地球研を使え」。
1.制作チームには【資料写真*】が1枚、ランダムで配られます。
* 地球研ニューズレターの表紙にこれまで掲載されてきた、様々なプロジェクトのフィールドの写真。
2.この【資料写真】を、ゲーム本体か、ゲームの説明書のなかで使ってください*。
* 資料写真は改変せずにそのまま使用。
* 資料写真は1回だけチェンジ可能。
3.シリアスゲームを作るわけではないので、インスピレーションの源やフレーバーとしての活用もありです。
4.質問があれば、太田(FEASTプロジェクト)・熊澤(情報基盤部門)まで!*
* 匿名質疑応答アプリ「handsup! 」でも受け付け
参加者の皆さんはこの課題にどう対応するのか、その対応のプロセスに研究員はどのように寄与しうるのか。期待と不安をもって、当日を迎えました。

BitSummitゲームジャムの2日間の流れ

= 1日目 =
[企画プレゼン・チーム分け]
Skeleton Crew Studioの石川武志さんによるBitSummitゲームジャムの趣旨説明と事務連絡のあと、参加者の学生さんたちの有志10人ほどによる、ゲーム企画のプレゼンテーションが始まりました。このゲーム企画はあらかじめ練られてきたもので、なかには非常に気合の入ったスライドも。他の参加者は、企画プレゼンが終わった後、自分が参加したい企画の立案者のもとに適宜集まります。こうしてチーム分けが終了。プログラミング、ビジュアル制作、サウンド制作など、参加者によってそれぞれ得意分野が違うので、バランスの良いチームにするのは大変そうでした。

 

 

 

 

 

[ミッションの告知]
チーム分けが終わったあと、太田の方から先述の課題「地球研を使え」の告知を行いました。事前アナウンスなしです。この課題にどのように対応するか、メンターの飯田和敏さん、辻田幸廣さんがダイニングで実践例を見せてくれました。ちなみに【資料写真】が表紙に載っている地球研ニューズレターは、こちらからバックナンバーを無料で読むことができます!

 

 

 

 

 

[制作開始]
制作スタートです。KJ法で企画案をさらに深めるチーム、タイムテーブルを作って役割分担を決めるチーム、作品のイメージボードを作るチーム、機材のセッティングに余念のないチーム…など動きは様々。熊澤さんと太田もQ&Aコーナーを作って、いつ質問が来ても対応できるようにしました。

【資料写真】の採り入れ方も、キャラクターデザインに反映したり、ストーリーのイメージ画像に使ったりなど、チームによって様々です。BitSummitゲームジャムでは、参加された各学校の先生方が、メンターとしてアドバイスや質疑応答に対応されていました。

 

 

 

 

 

当日は季節を勘違いした蝉が鳴きはじめるくらいに暑い日でしたが、太陽が沈み、夜になると一気に寒くなりました。シャワーを浴びたり、体操をしたり、仮眠をとったりしながら、深夜まで制作は続きます。

= 2日目 =
再び太陽が昇り、2日目です。地球研広報室の和出伸一さんがTwitter記事にしてくれました。

[結果発表・試遊会]
夕方に制作終了! ダイニングのディスプレイを使って結果発表です。皆さん限られた時間のなかで、「【資料写真】を必ず使うこと」という突然の課題にも対応して、非常にバラエティ豊かで完成度の高いゲームを作られていました。講評会のあと、ピザとサラダを食べながら試遊会です。作成されたゲームの詳細については、ぜひBitSummitでご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BitSummitゲームジャムの2日間のふりかえり

試遊会後、参加者の皆さんには【資料写真】のゲーム制作への採り入れ方についてのアンケート調査にご協力いただきました。じつは、研究員によるQ&Aコーナーを作ったにもかかわらず、ゲームジャム中に寄せられた質問は1つのみ。むしろ、試遊会のときに、「ところであの資料写真にはどういう背景があるんですか?」という質問が多く寄せられました。

アンケート結果からは、ゲームを作っている最中は、“実際の”背景情報よりも、制作者らの想像力によって写真のなかから発見されたストーリーを通じて【資料写真】は活用された(つまり、ある資料写真が、どの国のどのような社会状況を示すものかという情報よりも、そこに写っている2人の女性が歩いてどこに向かおうとしているのか…ということに想像を向けることがゲーム制作に寄与した)ことがわかりました。

この結果からは、プロジェクトの研究成果を研究者以外に活用してもらいたい場合、例えば「研究成果についてのレクチャーを交えた企画パート」と「面白いゲームを作ることに集中する制作パート」に分けたり、研究成果と一緒にその研究テーマに関連する映画や小説、ゲームなどのフィクション・ノンフィクション作品も提示する、という動線が考えられるでしょう。さっそく、次回のシリアスボードゲームジャム2019(9月28,29日に地球研にて開催予定。詳細後日)に活かしたいと思います。

最後になりましたが、BitSummitゲームジャムにご参加いただいた皆さま、おつかれさまでした!