「亀岡を有機農業の町にする!」~2018年度第2回「食と農の未来会議in亀岡」セミナーを開催しました!(プロジェクトリサーチアシスタント 岩橋涼)

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2018年11月19日、ガレリアかめおかにて、「亀岡を有機農業の町にする!」2018年度第2回「食と農の未来会議in 亀岡」セミナーを開催しました。プログラムの前半では、兵庫県丹波市市島町で有機農業に取り組む橋本慎司さんに、「世界とつながる、地域でつながる―兵庫県市島町の経験と有機農業の国際動向」というテーマでご講演いただきました。質疑応答の後、後半は参加者同士のネットワーキングを目的として、各自が自己紹介と亀岡を有機農業の町にするために必要なことを画用紙に書いて発表しました。

橋本さんは、1988年に兵庫県旧市島町(現丹波市)で就農され、市島町、丹波市の有機農業研究会等の活動に携わってきたほか、現在はIFOAM(国際有機農業運動連盟)アジアの監事もされています。現在は約1haの農場で40~50品目ほどの野菜栽培と、鶏の平飼いによる有畜複合の有機農業をおこなっています。はじめに、市島町の有機農家と神戸市の消費者グループ「食品公害を追放し安全な食べ物を求める会」との1970年代から続く提携についてお話しいただいた後、日本の有機農産物の認証制度である有機JASに関するお話がありました。2000年に成立した有機JAS認証制度は日本のものですが、IFOAMの国際基準に従って作られたものです。有機農家の中では「自然農法」か「有機農業」かという対立がありますが、「自然農法」には統一された国際基準がありません。一方、有機農業には国際基準があり、これに準ずる有機JASには信頼性があるという考えから、橋本さんは有機JAS認証を取得されています。

世界の動向に関しては、海外では有機農業が広がりを見せており、有機農産物は会員制ではなく量販店でマークをつけて販売されるのが一般的というお話がありました。一方で、日本では有機農産物の販売は伸びてきていません。有機農産物が一般の消費者に見えるところにないことが問題だといいます。橋本さんは、これから先、日本の消費者に支えてもらうだけでなく、外国人旅行者、すなわちオーガニックに「理解」のある国の人々に買ってもらえるよう取り組む必要があるのではと考えています。そうすることで日本の消費者も目を向けるようになるだろうということです。

橋本さんはWWOOF(※)にも取り組んでおり、農場には海外からたくさんの外国人がボランティアとして訪れています。また、近年の台風や大雨の影響で、橋本さんの農場は大きな打撃を受けました。一時期は、単品目による経営拡大を考えていたとのことですが、災害により施設が破壊されてしまった場合の損失が大きいことから、多品目に戻りつつあり、自然栽培も勉強されているということです。

講演後の質疑では、市島、丹波といった有機の里づくりにおける生産者の組織化や販売方法などについて質問がありました。丹波では、有機の里づくり協議会に、丹波市有機農業研究会と出荷組合という2つのグループがあり、前者は勉強会が中心、後者は出荷を共同でおこなう組織となっています。20代~30代の若手中心の組織で、出荷組合では有機JAS認証の取得が前提となっているということです。また、販売については、主に地域外への販売をおこなっているとのことでした。

セミナーの後半では、各自が画用紙に①名前・居住地、②仕事、③亀岡を有機農業の町にするために必要なこと・アイデア、を書いて、発表をおこないました。③については、付箋にも書きだしてもらい、出された意見をグルーピングしました。その結果、生産、販売、様々にネットワークをつくることが最も大きなまとまりとなり、次に、レストラン、直売所といったフードハブに関するもの、イメージ付け、PRといったもの、モデル地区やブランド化、農業教育や学校給食といったもの、JAや市を巻き込むこと、有機農業・有機農産物のルール作りといったものに分けられました。

亀岡の農家を中心に、流通関係、行政、周辺地域の方など多くの参加者があり、地域で有機農業を広げること、地域の有機農家とつながることへの関心の高さを実感しました。若手農家も多数参加しており、橋本さんのお話や、互いの発表を聞く中で、大いに刺激を受けたのではないでしょうか。

今回のセミナーは、有機農業をテーマに開催しましたが、今後は有機農業の推進にとどまらず、食のあり方そのものを考え直すということにもつなげていきたいと考えています。まずは、今回のセミナーで生まれた「つながり」から、次のステップに向けた会合をおこなう予定です。

※WWOOF (ウーフ)・・・World Wide Opportunities on Organic Farmsの頭文字をとったもの。有機農業を核とするホストと、そこで手伝いたい、学びたいと思っている人をつなぐ取り組み。金銭のやりとりはなく、ホストは「食事・宿泊場所」を提供し、ウーファー(WWOOFer)は「力」を提供するという関係である。

大変多くの方にお集まり頂きました!(撮影:FEAST)

橋本慎司さんの講演(撮影:FEAST)

 

 

 

 

 

 

 

(撮影:FEAST)